肩こりを東洋医学で解説!悩みの原因とオススメの対策5選

肩こりと聞くと「肩の筋肉がこっている」状態をイメージしませんか?でも、肩こりの原因は筋肉のこりだけではありません。

今回は、東洋医学の観点で肩こりの原因を解説するとともに、オススメの解消方法をご紹介します。

「肩こりの悩み」の実態

日本人にもっとも自覚症状が多く、国民病と言われることもある肩こり。頭痛や吐き気を伴うほど症状がひどい人もいますが、その一方で肩こりがない人がいるのも事実です。

一体どのような人が肩こりに悩んでいるのでしょうか。

男性よりも女性に多い肩こり

全国10万人の規模で行った健康調査の結果によると、首筋・肩こりを抱えている人は女性78.1%、男性が67%と、多くの人が肩こりに悩んでいることがわかっています。
女性の方がやや割合が高く、年齢別で見ると30〜40代が最も多いので、働き盛りの女性の多くを悩ませている存在のようですね。

参考 一般社団法人日本リカバリー協会 調査結果

季節の変わり目に肩こりで悩む人が増える

寒い冬の時期から寒暖差が激しい春にかけて、肩こりに悩む方が増えます。

20歳から60歳までの男女各300人を対象にした別の調査の結果では、冬から春にかけての困りごとの1位は男女ともに「肩こり」。季節の変わり目は特に症状が出やすいといえます。

参考 「冬~春の体の困りごと」– 保険クリニック調べ

働き方の変化も肩こりに影響?

在宅ワークが定着して主流になりつつある中、在宅ワークも肩こりに影響を及ぼしています。

20歳以上の女性を対象に行ったアンケートによると、在宅ワークが増えたことで体の不調を感じることが多くなったと回答した人は53%。

中でも肩こりをあげた人は31%で、他の不調と比べてもっとも多い結果となりました。

参考 GREEN HELP–コロナ禍によるテレワーク不調を感じる人は5割以上! 最もツラいのは肩こり

なぜ肩がこる?肩こりの原因を東洋医学の観点で解説

それでは、どういうメカニズムで肩がこるのか、東洋医学の観点から解説します。

「気」「血」「水」のバランスが肩こりに影響

 

 

東洋医学では、人間の体を構成し、生命活動を維持するための要素として、「気」「血」「水」の3つを重要視しています。

「気」は体を動かすエネルギー、「血」は全身をめぐる栄養源、「水」は体に必要なうるおい(体内のすべての正常な体液)。

東洋医学では、肩こりはこの「気」「血」「水」のバランスが崩れると生じると考えられています。

ストレスや自律神経が乱れて生じる肩こり(気滞タイプ)

本来、「気」は人の体を常に循環しています。しかし、ストレスや自律神経の乱れにより、気の流れが滞ってしまうことがあります。この状態を「気滞(きたい)」といいます。

気は自らの循環と共に、血も循環させています。気滞の状態では血のめぐりも一緒に悪くなり、肩こりの症状がよりひどくなります。

気滞タイプであれば、季節の変わり目、特に春先は要注意。春は気温と気圧の変動が大きく、体の機能をコントロールする自律神経が乱れやすくなります。

血のめぐりが悪化して生じる肩こり(血瘀タイプ)

体内を循環する「血」のめぐりが悪いことを「血瘀(けつお)」といいます。

血のめぐりが悪いと、老廃物が血管に蓄積。その結果、血管が圧迫されて肩がこわばり、こりや痛みをもたらします。

気温が低いと、ひとは体から熱を逃がさないように血管を収縮させます。血管が収縮・圧迫されると血の流れが悪くなるため、寒い時期は肩こりの症状が出やすいのです。

また、筋肉量は体温の保持に影響を及ぼします。女性は男性と比べて筋肉量が少なく、体が冷えて血管が収縮しやすいため、気温が低い冬には男性よりも肩こりで悩む人が増えることになります。

古い水がたまって生じる肩こり(痰湿タイプ)

不要な「水」が体に溜まる、水分代謝の悪い体質を「痰湿(たんしつ)」といいます。

「気」や「血」だけでなく、水のバランスが崩れることも、肩こりの要因となり得ます。

水分代謝が悪くなると、余剰な水が肩付近に滞り、肩の冷えへとつながります。これにより肩がこわばり、肩こりへと繋がってしまうのです。

体が冷えて生じる肩こり(陽虚タイプ)

東洋医学では、すべてのものが「陰」と「陽」に分けられます。人の体では、体を温めるエネルギーが「陽」、体を冷ますエネルギーが「陰」。体は熱を持ちすぎても冷えすぎてもいけず、両者のバランスが大事になります。

この「陽」が不足しているのが「陽虚(ようきょ)タイプ」。体を温める力が弱っているため、体が冷えやすく血管が収縮します。

血管の収縮により血のめぐりが悪くなって、肩こりの症状が生じてしまうのです。あなたが人よりも寒がりで冷えやすいなら、陽虚タイプかもしれません。

 

肩こりの悩みにオススメ!手軽な対策 5選

 体質により原因が異なる肩こりの悩み。手軽に取り組める対策を5つご紹介します。

肩こり対策1 温活により血のめぐりをよくする

体を温めることで「血」が全身にめぐり肩こり対策に!血瘀(けつお)タイプや陽虚(ようきょ)タイプには特に効果的です。

手軽にできる温活としては、腹巻や靴下で体を温める、熱すぎない程度のお湯に浸かる、温かい飲み物を飲むなどがおすすめ。体をほぐすストレッチや軽い筋トレなどもあわせて行うとより効果的。取り入れられることから始めましょう。

肩こり対策2 規則正しい生活を心がける

不規則な生活は自律神経に悪影響を及ぼします。起床・就寝時間、食事の時間を整えて、同じリズムで生活することを心がけましょう。

規則正しい生活は全身の「気」の流れを整えるので、気滞タイプの肩こり対策にうってつけ!代謝もよくなり、痰湿(たんしつ)タイプにも効果を発揮します。

自身の生活スタイルを定着させれば、精神面の落ち着きも取り戻せます。

肩こり対策3 リラックスする時間をつくる

ストレスを減らすことで、自律神経が整い、「気」のめぐりがよくなります。これも立派な肩こり対策のひとつ。肩の荷をおろして気持ちをリセットするために、深呼吸をしたり、瞑想したりするのもおすすめです。

趣味の時間を作って好きなだけ楽しむ、シャワーで済ませるのではなくゆっくりと湯船に浸かる、お気に入りのアロマやハーブの香りを置くなど方法はたくさんあります。まずは1日1回を目標に心地よくリラックスできる時間を作りましょう。

肩こり対策4 不調のタイプに合わせて食べ物を選ぶ

食べ物の特徴やはたらきを踏まえて、それぞれの体質に合ったものを選んで食べることで、肩こりのケアにつながります。

不調タイプ別に、積極的に摂取してほしい食べ物をご紹介。併せて、SAKURA WADAのおすすめブレンド茶もまとめましたので、参考にしてみてくださいね。

気滞タイプの肩こりにおすすめな食べ物

 

気のめぐりをよくする食材がおすすめです。
セロリ、紫蘇、 春菊、三つ葉、からし菜、キャベツ、ほうれんそう、なた豆、えんどう、大根、ねぎ、ニラ、らっきょう、みょうが、しょうが、にんにく、マッシュルーム、みかん、ゆず、ライチなど。

 

おすすめブレンドは「02-REFRESH MOMENT」。ジャスミン茶、キンモクセイ、蜜柑皮、ウコンをブレンドし、華やかな香りが特徴です。

02-REFRESH MOMENT

血瘀タイプの肩こりにおすすめな食べ物

血のめぐりをよくする食材を選びましょう。
あずき、黒豆、里芋、くわい、茄子、小松菜、玉ねぎ、ねぎ、ニラ、あさり、あわび、蟹、イワシ、サンマ、サバ、アジ、にんにく、しょうが、シナモン、山椒、桃、黒酢、酢、紹興酒、赤ワインなど。

おすすめブレンドは「04-SMOOTH WAY」。紅茶、玫瑰花、サンザシ、紅花、ハイビスカスをブレンドした、酸味がありすっきりとした風味のお茶です。

04-SMOOTH WAY

痰湿タイプの肩こりにおすすめな食べ物

水分代謝を高める食材を選びましょう。
とうもろこし、そば、ハトムギ、あずき、黒豆、大豆、緑豆、えんどう、そら豆、冬瓜、きゅうり、もやし、セロリ、たまねぎ、白菜、たけのこ、ブロッコリー、こんにゃく、春雨、あさり、しじみ、すずき、昆布、わかめ、海苔、鴨肉、スイカ、バナナ、キウイフルーツ、みかん、ゆず、梨など。

痰湿は体に余分な水がある状態ですので、水分の取りすぎにも注意するようにしましょう。

おすすめブレンドは「05-DETO STYLE」。烏龍茶、蜜柑皮、ハトムギ、トウモロコシのヒゲをブレンドした、すっきりと飲みやすいお茶です。

05-DETO STYLE

 

陽虚タイプの肩こりにおすすめな食べ物

冷えやすいタイプなので、体を温める食材を選びましょう。
くるみ、栗、ねぎ、ニラ、山芋、キャベツ、カリフラワー、羊肉、鹿肉、鶏肉、エビ、なまこ、うなぎ、ムール貝、シナモン、ターメリック、胡椒、山椒、 にんにく、生姜、八角など。

生姜やにんにく、スパイスなどは普段の料理に足しやすいですね。食材は生よりも加熱調理して食べることがおすすめです。一方、きゅうり、セロリ、緑茶などは体を冷やす作用があるため、摂り過ぎには気をつけましょう。

おすすめブレンドは「07-WARM SUN」。アールグレイ、杜仲の葉、シナモン、虫草花、クローブ、乾燥生姜をブレンドしたスパイス香るチャイのような風味のお茶です。

07-WARM SUN

肩こり対策5 ツボを押す

ツボ押しは手軽に全身のめぐりを改善できる方法です。強く押すのではなく、ゆっくりと息を吐きながら、痛気持ちいい程度に長めに押すことがコツ。数回繰り返して押してみましょう。

ここでは自分で簡単に押せるツボを2つ紹介します。

合谷(ごうこく)

親指と人差し指の骨が交わる場所から、人差し指側の指先に少し進んだところ。ポコンとくぼんでいるので、比較的見つけやすいツボです。

天柱(てんちゅう)

後ろ髪の生え際付近、首の太い骨の外側。2ヶ所ありますので、両手で首を覆うように、やさしくじんわりと刺激しましょう。

肩こり悩みの原因を理解し、自分にピッタリの解消方法を!

東洋医学では、体質から肩こりの原因を見つけ、それぞれに合ったケアを行います。

肩こりに悩みやすい4つの体質は
・ストレスや自律神経の乱れによって「気」が滞っている「気滞」
・体内を循環する「血」のめぐりが悪い「血瘀」
・不要な「水」が体に溜まって水分代謝が悪い「痰湿」
・体を温める「陽」が不足している「陽虚」

これらをケアするおすすめの方法は
・温活
・規則正しい生活
・リラックス
・食べる物を選ぶ
・ツボを押す

一人ひとり体質が異なるため、肩こりを解消するために必要な対応も違います。

自分の肩こりの原因をしっかりと見極めた後、自分に合った対応をして肩こりのない快適な生活を目指しましょう。