梅雨の不調について
中医学では、梅雨は自然界の「湿邪」の影響を受けやすく、五臓の「脾」つまり胃腸などの消化器系に不調が出やすい時期とされています。

脾は食べ物の消化吸収や水分代謝を行なっているため、この機能が低下すると消化不良、軟便、下痢、むくみ、疲れやすいなどの症状が出やすくなります。

外的要因によっても体に余分ながたまりやすくなり、湿度が高かったり雨が降る日は症状が顕著に現れます。
体が重くなったり、むくみ、手足やまぶたが腫れぼったくなる、頭が重い、めまい、耳鳴り、関節痛、ニキビなどの症状が出ることもあります。

湿をためこまないように日頃から余分な湿を追い出す食材を摂り、体を冷やさず胃腸にやさしい生活を心がけることが大切です。

対策とアドバイス

  • 冷たいもの、サラダや刺身などの生もの、体を冷やす寒涼性の食べ物は避けましょう。
  • 甘いもの、脂っこいもの、アルコールは控えるようにしましょう。
  • 香辛料には体を温めて湿を出す作用があるため、カレーなどのスパイス料理はおすすめです。ただし、体を温めすぎずるのもよくないため、平性(体を温めたり冷やしたりしない中性)になるように、涼性の食材も取り入れるなどしてバランスを取った食事を意識しましょう。
  • 湧泉、三陰交、足三里、内関穴のツボを押すのもおすすめです。

中医学的ポイント

改善に必要な作用
淡滲利湿、健脾、温胃

おすすめの食材

  • 淡滲利湿:ハトムギ、トウモロコシのヒゲ、冬瓜、あずき、えんどう、そら豆、あずき
  • 健脾:うるち米、蓮の実、なつめ、きのこ、じゃがいも、さつまいも、かぼちゃ、枝豆、竜眼、ライチ、白身魚、納豆、味噌、甘酒
  • 温胃:しょうが、赤紫蘇、みょうが、シナモン、クローブ、ナツメグ、カルダモン、クミン、山椒、唐辛子

おすすめの薬膳茶ブレンド

烏龍茶、黒豆、蜜柑皮、ハトムギ、トウモロコシのヒゲ

監修医師

医師・黄田 正忠
医療法人社団忠恵会理事長、東洋医学未病対策研究会常任理事

中医師・和田 暁
高級中医薬膳伝授師、薬膳アカデミア創立者、世界中医薬学会連合会常務理事