春の不調について
中医学では、春は自然界の「風邪(ふうじゃ)」の影響を受けやすく、五臓の「肝」に不調が出やすい時期とされています。

肝は、自律神経の調節、血の貯蔵、飲食物の解毒などさまざまな働きを持っています。
そのため、肝の働きが低下することによってのめぐりが悪くなり、イライラ、憂うつ、肩こりなどの症状が出たり、不眠、不安、こむらがえりなどのにまつわる症状が出たり、体内に老廃物が蓄積して重だるさや疲労感を感じやすくなったりします。

また、春は陽気が急激に上昇する季節のため、血が体の上部にのぼって停滞しやすく、頭痛、鼻詰まり、めまいなど、体の上部に症状が出やすいといわれています。

ストレスをためないようにうまく発散したりリラックスしながら、免疫力を低下させないように胃腸をいたわりましょう。

対策とアドバイス

  • 肝を整え気を流してくれる食材を摂るようにしましょう。
  • ストレスをためずにうまく発散するようにしましょう。楽しめる趣味を見つけたり、友人とおしゃべりをするのもおすすめです。
  • 三陰交、太陽穴、内関穴、風府、風池、風門などのツボを押すのもおすすめです。

中医学的ポイント

改善に必要な作用
理気、平肝、清熱、補血、補陰

おすすめの食材

  • 理気:春菊、紫蘇、キャベツ、柑橘の皮、柚子、ミント、ラベンダー、カモミール、玫瑰花、ウコン
  • 平肝:菊花、決明子、桑の葉、セロリ
  • 清熱:大麦、セロリ、きゅうり、ゴーヤ、茄子、アスパラガス、ブロッコリー、金針菜、せり、たらの芽、菜の花、緑茶
  • 補血:なつめ、クランベリー、黒豆、松の実、にんじん、ほうれん草、いわし、さんま、あなご、いか、牡蠣、レバー
  • 補陰:ごま、すっぽん、貝柱、あわび、あさり、鴨肉、豚肉、クコの実、ベリー類、白キクラゲ、百合根

おすすめの薬膳茶ブレンド

桑の葉、玫瑰花、クコの実、菊花、ラベンダー

監修医師

医師・黄田 正忠
医療法人社団忠恵会理事長、東洋医学未病対策研究会常任理事

中医師・和田 暁
高級中医薬膳伝授師、薬膳アカデミア創立者、世界中医薬学会連合会常務理事