中医学では、むくみは以下のタイプに分かれます。
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脾気虚タイプ
胃腸が弱く、気が不足し、水分代謝を推し進める力が足りずにむくむタイプです。下痢にもなりやすく、疲れるとむくみが悪化します。補気作用のある食材がおすすめです。 - 痰湿タイプ
水分の過剰摂取、脂っこいもの・甘いもの・アルコールなどの過剰摂取、多雨多湿な環境などの理由によって体全体がむくむタイプです。うまく水分代謝できずにむくみを引き起こします。利水作用のある食材がおすすめです - 腎陽虚タイプ
下半身と顔がむくむ場合は、水分調節を担う腎の働きが低下した腎虚タイプと考えられます。もともとの虚弱体質や年齢を重ねることが原因でむくみが起き、指で押すと痕が残ります。補陽作用のある食材がおすすめです。
体質診断では、今の自分の体の状態を把握することができるので、あわせてお役立てください。
対策とアドバイス
- 余計な水分を体から出してくれる食材、気を補って体力をつける食材を積極的に取り入れるようにしましょう。
- 水分は必要以上に摂り過ぎないようにしましょう。水を一日2リットル以上飲もうという美容法を聞きます。年齢、体重、体質、環境などによって水分の必要量は異なりますが、基本的に成人の必要摂取量は1日2〜2.5リットルと言われています。しかし食事から1リットル程度の水分を摂ることができているため、コップから飲まなければいけない水の量は1〜1.5リットル程度が目安と言われています。自身が代謝できる量を超えて水を摂取するとむくみとなり、体を冷やしやすくするので注意しましょう。
- 適度に体を動かして血行をよくしましょう。
- 入浴などで適度に発汗しましょう。
- 体を冷やさないようにしましょう。
- 脂っこいもの、甘いもの、アルコールはなるべく控えましょう。
中医学的ポイント
おすすめの食材
- 補気健脾:ハトムギ、とうもろこし、大豆、そら豆、蓮の実、蓮の葉、さやえんどう、じゃがいも、さつまいも、山芋、かぼちゃ、しいたけ、にんじん、鴨肉、白身魚
- 利湿:そば、黒豆、あずき、緑豆、大豆、そら豆、豆腐、さやえんどう、きゅうり、もやし、冬瓜、白菜、しいたけ、鴨肉、白身魚、あさり、しじみ、どじょう、貝柱、ふかひれ、昆布、海苔、わかめ、スイカ、キウイフルーツ、すもも、いちじく、さくらんぼ
- 補陽:シナモン、クローブ、杜仲茶、エビ、ニラ、山椒、羊肉、鹿肉
監修医師
医師・黄田 正忠
医療法人社団忠恵会理事長、東洋医学未病対策研究会常任理事
中医師・和田 暁
高級中医薬膳伝授師、薬膳アカデミア創立者、世界中医薬学会連合会常務理事