東洋医学流!全身に栄養を届ける「血」をケアして健康に
東洋医学では人間の体を構成し、生命活動を維持するための要素として「気」「血」「水」の3つを重要視しています。
その中で、今回取り上げるのは「血」。
「血」は、健康に生きる上で欠かせない存在ですが、一体どのような働きがあるのか、どのようにケアすればよいのか、2つの不調タイプとともにご紹介します。
東洋医学でいう「血」ってどんなもの?
「血」は、体の中をめぐる赤い血液のこと。全身にたくさんの栄養素を届けることで、生命活動を支える重要な役割をもっています。
ここまではなんとなくみなさんが想像する通りだと思いますが、東洋医学における「血」は、精神活動を支える作用があるとも考えてられているのが特徴です。
全身の血管をめぐって体中を栄養すると同時に、精神活動にも関わる「血」。とても重要な存在ですが、どのように作られているのでしょうか?
「血」は、食べ物や飲み物がおなか(脾胃)で消化吸収されて酸素(肺気)と結びつくことで作られると考えられています。
言い換えれば、「血」を適切に補うには、栄養バランスのとれた飲食物と、きれいな空気が必要なのです。
「血」にはどんな働きがあるの?
全身に栄養を届ける「血」。東洋医学では、具体的に5つの働きがあると考えられています。
血の働き①営養作用(えいようさよう)
五臓のひとつ「肝」に貯蔵された栄養を全身に届けます。
血の働き②滋潤作用(じじゅんさよう)
肌や髪など、全身に健やかなうるおいを与えます。
血の働き③載気作用(さいきさよう)
体が活動するエネルギー源「気」を体中に運びます。
血の働き④養気作用(ようきさよう)
「気」そのものに栄養を供給し、心身のエネルギーをパワーアップさせます。
血の働き⑤安神作用(あんしんさよう)
意識を明瞭したり、精神状態を安定させて落ち着かせます。
「血」にまつわる不調タイプとケア方法
全身に栄養を運ぶ「血」が原因で起こる体の不調として、代表的な2つのタイプと改善方法をご紹介。「最近なんとなく調子が悪い」と感じる方、あてはまるものはありませんか?
①「血虚(けっきょ)タイプ」血が足りない栄養不足状態
「血」そのものが不足しがち、また「血」を生み出すちからが弱いのが「血虚」の特徴です。
「血」が足りないため全身に栄養を十分に届けられず、血色が悪くなったりふらついたりする傾向が見られます。肌や髪などもかさついたり、睡眠が浅くなったりと、様々な不調の原因になります。
・顔、舌、唇の色が淡く白っぽい
・めまい、立ちくらみをしやすい
・寝付きが悪い・眠りが浅い、夢をよく見る
・手足がしびれやすい、つりやすい
・まぶたや筋肉がぴくぴくと引きつる
・コロコロとした便が出る
・髪にツヤがない、白髪が多い
・爪が淡く白っぽい
・生理が遅れる、量が少ない
血虚をケアするには
血虚タイプは血を補うことが第一。黒豆、牡蠣、レバー、ベリー類などいわゆる補血食材で「血」を食事面から補うのがおすすめです。
特に女性は「血」が不足しがち。また、脳の酷使や夜更かしは「血」の消耗を加速させます。しっかり睡眠や休息をとり、規則正しい生活を心がけましょう。
血虚タイプの詳しい情報はこちら
おすすめブレンド茶は「03 - NOURISHMENT」。
紅茶、なつめ、黒豆、クコの実をブレンドした健康茶。軽やかでまろやか、甘味があるやさしい風味のお茶です。
②「血瘀(けつお)タイプ」血のめぐりが悪い血行不良状態
「血」の流れが滞ってしまい、さまざまな不調が生じるのが「血瘀」タイプ。
頭痛・肩こり・生理痛といった痛みの不調に悩まされがち。また、正常に肌のターンオーバーが行われないため、シミやそばかすなど色素が沈着しやすい傾向も。
・顔色が暗い(紫っぽい、どす黒い)
・目の下にクマができる
・肌が乾燥する
・シミ、そばかすができる
・色素沈着しやすい、日焼け跡や傷跡が消えにくい
・毛髪が抜けやすい
・あざができやすい
・夜間に頭痛がひどくなる
・生理痛があり、レバー状の血の塊が出る
・物忘れしやすい
・静脈が浮いて見える
血瘀をケアするには
血流を良くして、流れの悪くなった状態を改善する「活血化瘀(かっけつかお)」を意識するのがポイント。
ウォーキングやストレッチなどの簡単な運動で、「血」のめぐりをよくしましょう。体を冷やさないように冷たい飲食物は避け、じっくりお風呂で温まるのも効果的。
実はストレスからも血行不良は起こるもの。普段からストレスを溜め込まないことも大切です。
日頃の食事にも、あずき、玉ねぎ、茄子、鯖などの血のめぐりをよくする食材を取り入れてみてください。
血瘀タイプの詳しい情報はこちら
おすすめブレンド茶は「04 - SMOOTH WAY」。
紅茶、玫瑰花、サンザシ、紅花、ハイビスカスをブレンドした健康茶。やや酸味があり、すっきりとした風味のお茶です。
まずは自分のタイプを知って適切な「血」のケアを
不調の原因は一人ひとりの体質や状態によりさまざまです。気になる不調を改善するために、まずは自分のタイプを知ることからはじめましょう。
「血」を理解し、全身のめぐりを意識して生活しよう
全身に栄養を届けることで心身の健康を保つ「血」。正常に働かないと、さまざまな不調やトラブルを引き起こします。
①血虚タイプ
「血」が不足している状態。全身に栄養を十分に届けられず、血色不良やふらつきの原因に。
「血」を補うことを意識。食事や生活習慣の見直しが効果的。
②血瘀タイプ
「血」の流れが滞ってしまい、頭痛や肩こり、肌のターンオーバーにも影響が。
適度な運動や入浴で、全身のめぐりをよくすることが大切。
自分の体質を見極めて、最適なケアを選び、スッキリとした生活を送りましょう。