東洋医学の「水」って?不足タイプor過剰タイプの不調とケアを解説
東洋医学で重要視している「気」「血」「水」。人体を構成し、生命活動を維持する3つの要素がバランスを保つことで、私たちは健康に過ごすことができると考えられています。
今回の記事のテーマは「水」。
全身にうるおいをもたらす「水」は、不足しても過剰でも、体に不調をもたらします。不足タイプと過剰タイプ、2つの不調についてご紹介。それぞれのケアの方法にも触れます。
東洋医学でいう「水」ってどんなもの?
東洋医学では、体内のあらゆる水分・体液を「水」と表現します。涙、汗、尿、胃液、腸液、細胞に含まれる液など。一般的にいわれる水とは異なり、体の中で循環するすべての水分が「水」なのです。
さらに細かくいうと、「水」はおおきく2つの種類に分けられます。さらさらした「津」と、どろどろした「液」の2つです。
「津」 さらさらとした水分で、流動性が高く、皮膚・筋肉・五官など体の表面すみずみまで分布。
「液」 どろどろとした水分で、流動性が低く、骨・関節・臓腑・脳髄など特定の部位に分布。
「水」の材料は、飲食物や空気中の水分。飲食物を脾や胃で消化吸収する際に作られる他、呼吸によって取り込まれた空気中の水分から作られます。体内の「水」は、日々の食事や過ごす環境の空気に大きく影響されるのです。
「水」にはどんな働きがあるの?
全身のありとあらゆる水分である「水」。どのような働きがあると考えられているのでしょうか?
「水」はからだに必要なうるおいを与える
皮膚や髪の毛など、全身をすみずみまで潤わせる「水」の働きを、滋潤栄養(じじゅんえいよう)といいます。髪の毛や肌つやには、適度な「水」が欠かせません。
また、涙や唾液などの腺分泌液として粘膜を潤わせたり、関節を潤わせて動きを円滑にしたり、腸を潤わせて排便を円滑にしたりします。うるおい、というと、髪のパサつきや乾燥肌がうるおうようなイメージがありますが、関節やお通じにも「水」が効果的に働くのです。
その他、一部が「血」に変わり全身のめぐりに寄与したり(化生血液)、気の後押しによって体中をめぐったり(載気作用)するとも言われています。「水」の働きは、「気」「血」と密接に関わっている点がポイントです。
「水」にまつわる不調タイプとケア方法
全身のうるおいを助ける「水」。もちろん不足してはいけませんが、過剰に摂り過ぎても不調に繋がってしまうのです。不足タイプと過剰タイプ、「水」にまつわる不調タイプとケア方法についてご紹介します。
①「痰湿(たんしつ)タイプ」水分代謝が悪い状態
不要な「水」を溜め込んでいて、水分代謝が悪いのがこのタイプ。太りやすい人も多く、頭や体が重だるく感じたり、むくみやすい傾向があります。
・頭や体が重くだるい
・むくみやすい
・眠気を感じやすい
・回転性のめまいが出る
・口の中がねばねばする
・皮下脂肪がたまりやすい
・軟便、下痢になりやすい
・尿がすっきり出ない
・おりものが多い
・雨の日に体調が悪くなる
痰湿をケアするには
まずは食生活を見直しましょう。脂っこいものや甘いものを控えたり、お酒の量を減らしたり。冷たいものや生ものも控えめにするのがおすすめ。軽い運動で汗を流し、余分な水分や老廃物を出すようにするのも大切です。
おすすめブレンド茶は「05-DETO STYLE」。
烏龍茶、蜜柑皮、ハトムギ、トウモロコシのヒゲをブレンドした健康茶。ほのかに柑橘が香り、すっきり飲みやすいお茶です。
②「陰虚(いんきょ)タイプ」うるおい不足の状態
身体をうるおす「陰(血・水・精)」が不足し、体に必要なうるおいが足りないのがこのタイプ。ほてり・のぼせを感じたり、カッカと怒りっぽくなったりします。乾燥タイプなので、肌や目の乾燥を感じたり、喉が渇く傾向も。
・体がほてる
・のぼせやすい
・痩せ型
・寝汗をかく
・寝付きが悪い
・口やのどが渇く
・目が渇く、ゴロゴロするような異物感
・関節がきしむ
・乾燥便、便秘がち
・尿の量が少ない
・舌が赤い、亀裂のような模様が出る
陰虚をケアするには
辛過ぎるもの、熱過ぎるもの、過度な飲酒は、うるおい不足を悪化させるため要注意。胃腸をいたわりながらバランス良い食事を心がけてください。夜更かしも陰虚の症状を悪化させるため、睡眠の質と時間も重視してください。
おすすめブレンド茶は「06-WATER SHOWER」。
緑茶、桑の葉、クコの実、百合根をブレンドした健康茶。渋みや癖がなく、さっぱりと爽やかにお飲みいただけるお茶です。
③「湿熱(しつねつ)タイプ」老廃物をため込みがちな状態
身体に不要な「水」と「熱」が溜まっているのがこのタイプ。現代人に増えている体質で、食べ過ぎ・飲み過ぎによって体内にいらないものが溜まっている状態です。皮脂が出やすくニキビや湿疹ができたり、膀胱炎になりやすい傾向があります。
・暑がりでじっとりとした汗をかく
・髪がベタっと脂っぽく薄い
・ニキビ、吹き出物が多い
・傷や湿疹が化膿しやすい
・体格がよい
・尿の回数が多い
・尿の色が濃い
・便に粘り気があり、匂いが強い
・二日酔いになりやすい
湿熱をケアするには
まずは食事量の見直しが大事。脂っこいもの、味が濃いもの、激辛のものを食べ過ぎていませんか?お酒が好きな方は飲み過ぎないよう控えて、ほどほどに楽しみましょう。負担をかけすぎない程度に、積極的に運動を取り入れるのもおすすめです。
おすすめブレンド茶は「08-EAT EASY」。
緑茶、どくだみ、ハトムギ、トウモロコシのヒゲ、金銀花、蓮の葉、クチナシの実をブレンドした健康茶。ほのかに苦味がありながら、角がなくまろやかなお茶です。
まずは自分のタイプを知って適切な「水」のケアを
不調の原因は一人ひとりの体質や状態によりさまざまです。気になる不調を改善するために、まずは自分のタイプを知ることからはじめましょう。
バランスが重要。適度な「水」でうるおいのある毎日を
全身にうるおいをもたらし、髪や肌のつやだけでなく、体内機能にも働きかける「水」。不足するのも、過剰に摂り過ぎるのも注意が必要です。
不足タイプ(陰虚)
うるおい不足を悪化させる食生活に注意。胃腸をいたわりつつ、適度な睡眠で体をいたわりましょう。
過剰タイプ(痰湿、湿熱)
適度に体を動かし、不要な水分や老廃物をため込まないように。食べ過ぎに注意して食事のバランスを重視。
自分の体質に見合った「水」との向き合い方を見つけて、うるおいある毎日にしましょう。