中医学の体質の考え方
中医学では、気血水や寒熱の状態によって、体質を大きく8種類に分けて捉えます。
ここでいう体質とは、正常なバランスから崩れてしまっている状態を分類したもので、食べ物、感情やストレス、睡眠、運動などあらゆる生活習慣の影響を受けて日々変化していきます。
相互に作用し合ってバランスを保っているため、ひとつがバランスを欠くと連鎖するように他の要素に影響を与え、同時に複数の体質にも当てはまる状態にもなります。
01-気虚体質
「疲れやすい体力不足タイプ」
気・血・水のバランスのうち、身体のエネルギーである「気」が不足している気虚(ききょ)タイプ。 疲れやすく体力不足、胃腸が弱い、食後に眠くなる、汗をかきやすい、風邪を引きやすいなどの傾向があります。基礎代謝や平熱が低い方もいます。
02-気滞体質
「ストレスの多い張り詰めタイプ」
気・血・水のバランスのうち、身体のエネルギーである「気」が滞り、流れが悪くなっている気滞(きたい)タイプ。ストレスに起因して起こりやすく、胸がつかえる、げっぷやため息が出る、肩こり、頭痛、自律神経のバランスが崩れてイライラや憂鬱になりやすいなどの傾向があります。
03-血虚体質
「栄養が足りないふらふらタイプ」
気・血・水のバランスのうち、全身の栄養源となる「血」が不足していたり、「血」を作り出す力が低下している血虚(けっきょ)タイプ。血色が良くない、肌のツヤが足りない、ふらふらと立ちくらみしやすい、不眠になりやすいなどの傾向があります。
04-血瘀体質
「顔がくすむ血行不良タイプ」
気・血・水のバランスのうち「血」の流れが悪い血瘀(けつお)タイプ。顔がくすむ、目の下にクマができる、シミやあざが残りやすい、手足が冷える、頭痛・肩こり・関節痛などの痛みが出やすいなどの傾向があります。
05-痰湿体質
「体が重だるいむくみタイプ」
気・血・水のバランスのうち不要な「水」を溜め込んでいて、水分代謝が悪い痰湿(たんしつ)タイプ。体がむくむ、ニキビができる、頭や体が重だるい、軟便・下痢気味、太りやすいなどの傾向があります。
06-陰虚体質
「うるおい不足のほてりタイプ」
身体を慈潤する「陰(血・水・精)」が不足し、体に必要なうるおいが足りない陰虚(いんきょ)タイプ。ほてり・のぼせを感じる、肌が乾燥する、喉が渇く、寝汗をかく、便秘がち、怒りっぽくなるなどの傾向があります。
07-陽虚体質
「体が冷える機能低下タイプ」
身体を温める力である「陽」が不足している陽虚(ようきょ)タイプ。 体が冷えることで内臓機能が低下し、寒さに弱い、手足が冷たい、トイレが近い、下痢しやすい、むくみやすい、風邪を引きやすいなどの傾向があります。
08-湿熱体質
「熱がこもる脂テカテカタイプ」
身体に不要な「水」と「熱」が溜まっている湿熱(しつねつ)タイプ。食事量の過多で起こりやすく、気血のめぐりが妨げられることで代謝が悪くなり、体がだるい、暑がり、汗をかきやすい、ニキビができる、口臭が強いなどの傾向があります。
─監修医師─
医師・黄田 正忠
医療法人社団忠恵会理事長、東洋医学未病対策研究会常任理事
中医師・和田 暁
高級中医薬膳伝授師、薬膳アカデミア創立者、世界中医薬学会連合会常務理事